「日本珠算連盟そろばん有識者懇談会提言」より
今日は金曜日!お休み前に、日本珠算連盟が発行している「日本珠算連盟そろばん有識者懇談会」での報告の冊子より抜粋いたします。
この懇談会(平成21年3月)では
(1)そろばんと教育・・・尼崎教育特区の計算科の報告や、算数教育に「学習具としてのそろばん」が成り立つかの検証など
(2)そろばんと脳・・・脳機能計測実験のレポート紹介
(3)そろばんと文化・・・「21世紀の寺子屋」としての観点からそろばん教育のあり方について。
(4)今後のそろばん普及のための提言
等となっていますが、その<資料編>として、京都府教育委員会が行った「小学生に対する珠算に関する意識調査結果」というものが載せられており、面白かったので抜粋してみます。
この調査は、2008年6月に京都市立小学校から地域的バランスを勘案して6校を抽出し、3学年から5学年のうち、各学年1つの学級の児童に対して行ったアンケートです。3年生・156名、4年生・169名、5年生・170名の合計495名に実施しました。アンケートの内容は「あなたの好きな教科は?」「そろばんは便利な道具だと思いますか?」「そろばんを使って実際に計算したことがありますか?」など7-8問です。
その中の「そろばんの勉強は楽しみですか?」の3年生に対するアンケートの結果
(楽しみにしている)の理由
・算数が好き。計算が好き。
・お父さんお母さんとやると楽しい。「おもしろいよ」と言われる。
・指で玉をはじくのが楽しそう。動かしてみたい。
・算数は嫌いだけど、そろばんは興味がある。 など
(楽しみでない)の理由
・算数が嫌いでむずかしそうだから。やり方をしらない。
・すでに習っているけど、あまり面白くない。
・上に上げたり下げたりしてややこしそう。 など
次に「そろばんの授業は面白かったですか?」の4年生、5年生に対するアンケートの結果
(面白かった)の理由
・計算は苦手だがそろばんだと楽しく、しっかり計算できる。
・そろばんをはじく「かちゃかちゃ」という音が面白かった。
・そろばんは使い方が簡単で、便利で楽しい。筆算より簡単に速く計算できる。
・そろばんを習っているからたくさん発表できた。みんなでやると楽しい。
・両手を使うので頭を使う。使い方が分かったら面白くて凄いものだと思った。 など
(面白くなかった)の理由
・ややこしくて面倒。慣れていないので使いにくく、筆算や暗算でやった方が速い。
・家で使うわけでもなく、学校でも使わなくなったから、意味がない気がする。
・授業の最初にそろばんを用意するのが面倒。
・指が疲れた。練習してもできなくて、おこられたから。
・計算の仕方が全然分からなかった。計算が嫌いなので速くて追いついていけなかった。 など
「珠算アンケート」の結果について(3~5年を通して)
*好きな教科の傾向に学年差はあまり見受けられない。
*そろばん履修前の3年生では7割ほどの児童が「そろばんは便利」というイメージを持っているが、履修後の4,5年生では割合が減ってきている。
*4年生より5年生のほうが学校以外でそろばんを習っている割合が若干高い。
*4年生より5年生の方がそろばんへの興味・関心が低下傾向にある。
という報告がありました。学年があがるにつれ、しないといけない事の優先順位が変化していくため、そろばんにばかり興味を持っていられない、という現状があるのか・・・と感じました。
なかなか面白いアンケートだと思いましたので、ご報告させていただきました。 以上(^0^v