そろばんネタ帳

そろばん四方山話

025)竹 そのミラクルパワー 「NHKアインシュタイン」の目より

平成22年5月9日のNHKBShi 「アインシュタインの目」で「竹 内の秘めたミラクルパワー」が紹介されていました。

そろばんの最も重要な機能を、縁の下から支える大事な部材として、我々そろばん関連業者は、竹のありがたみを痛切に感じております。本番組は、身近な素材である「竹」のもつ素晴らしさを、新しい手法で見せてくれました。その一部をかいつまんで紹介させていただきます。

 

・「竹」は植物の中で一番早く成長する。2ヶ月もたたないうちに20メートルに達する。その原因は、一般の植物では先端に1カ所ある生長点が、各節毎にある為です。その急速に伸びる様子を特殊カメラで紹介してくれます。

 

・「竹」が成長するためには、20リットルという大量の水を必要とする。大量の水を吸い上げるために、いろんな工夫がされている。

 

・「竹」の特長は、しなやかで強いこと。この特長を利用して、究極の強化プラスチックが開発されている。

 

など、「目からうろこ」の新しい内容の紹介がありました。

 

本HPでも、「竹芯」について各所で紹介をしておりますが、本項では、その直進性について、少し紹介させていただきます。

 

・「竹」はその繊維を生かして利用すると、素晴らしい直進性を保ってくれます。弊社のコレクションである江戸や室町時代の古そろばんを見ると、当時は竹をそのままを使用する「丸竹」を使用していますが、我が国のような湿気多い気候にもかかわらず、直進性は維持されています。

 

・「ゼロの発見」吉田洋一著 岩波新書刊の中で、著者は、日本のそろばんとローマの溝そろばんを比較して、「竹芯の上で軽やかに動く日本のそろばんの軽便性が、歴史の中で生き残って行く重要なポイントになったのかもしれない」という表現をされています。

 

・東洋にしかない「竹」が、そろばんを東洋に残してくれたのかもしれません。