そろばんネタ帳

そろばん四方山話

024) 桐の話「気候風土と人が生み出す技の結晶」

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クレジット会社DCカードの月刊誌「パートナー」6月号に「梅雨の知恵。気候風土と人が生み出す技の結晶」という特集がありました。

その中の「桐タンス」の紹介記事に「桐の特性」が紹介されていました。

ちょうど高級算盤の桐箱に通じる内容なので、少し紹介させていただきます。

 

・昔から桐箪笥は衣類の保存に適しているといわれてきた。桐材は湿度が高い時には水分を含んで膨らみ、乾燥した時には縮んで空気を通す。

このため内部の湿気が一定に保たれ、湿度の高い日本では理想的な材料とされた。同時に桐の板にはタンニンなどが多量に含まれ、これが細菌や昆虫類の食害を防ぐとされている。

・さらには、「火事にあって箪笥の表面が黒く炭化したものの、引き出しの中は焦げていなかった」「水がかかってしまったが、桐自体が水を含んで箪笥が密閉されたため、中の衣類に大きな影響が無かった」など、桐タンスにまつわる驚くべきエピソードは多い。

 

※我々そろばんメーカーが、湿気の嫌う高級算盤を桐箱に入れているのも、全く同じ目的です。桐箱には、中の湿気を一定に保つ機能があるのです。

※昔の桐箱は、完成したそろばんに合わせて1個づつ別製していましたが、現在はさすがにそこまで手間は掛けておりません。昔の桐箱はそろばんにピタリと合って、出し入れするのに困るほど精度が高いモノがあります。