そろばんネタ帳

そろばん四方山話

004)懐徳堂と中井履軒の螺鈿そろばん

懐徳堂(かいとくどう)
懐徳堂は、享保9年(1724年、江戸中期)に大坂の商人たちが現在の大阪市内に設立し、運営を行った学問所です。大坂学術の発展と商道徳の育成に貢献しました。一時は、江戸の昌平坂学問所と並ぶ人気だったと伝えられ、中井竹山・履軒(りけん)兄弟をはじめ、富永中基・山片幡桃などのすぐれた学者を輩出しました。

WEB懐徳堂
http://kaitokudo.jp/(外部リンク)

懐徳堂研究の総合サイト「WEB懐徳堂」。貴重な文献・資料を見ることができます

財団法人 懐徳堂記念会
http://www.let.osaka-u.ac.jp/kaitokudo/(外部リンク)
懐徳堂の顕彰活動・公開講座などを進める懐徳堂記念会のサイトです。

懐徳堂の商道徳
「忠孝」という「まごころ」や正義を基盤とした商業活動には、後から必ず「利」がついてくる。懐徳堂では、「義」と「利」の関係がこのように説明されていました。
この商道徳は、雲州堂2代目の日野国輝が掲げ続けた、「義を果たして行けば、利は自ずと後からついて来る」と言う、「先義後利」(せんぎこうり)に相通じるものがあります。

中井履軒の螺鈿(らでん)そろばん
懐徳堂は、中井竹山・履軒兄弟の時代に全盛期を迎えたそうです。中井履軒が使用したと言われるこのそろばんも、とても豪奢で、当時の隆盛を偲ぶことが出来る逸品です。

上1玉・下5玉の17桁で、中国から伝わった上2玉・下5玉の影響を残しています。
玉は象牙製で、「ビンぐれ玉」と呼ばれる特殊な形状をしています。
何と言っても、枠周辺に施された螺鈿細工が圧巻です。

 

螺鈿そろばん