映画 <武士の家計簿>
2010年秋頃に公開予定の映画 <武士の家計簿> の主役は「そろばん」です^^v
配役 : 主役に堺雅人 妻役に仲間由紀恵 他に中村雅俊など豪華俳優さんが出演します。
監督 : 森田芳光氏
あらすじ: 時は江戸時代後半。加賀藩(石川県)の御算用者(会計処理の専門家)の役人・猪山直之は、時に同僚から”算盤バカ”などと言われる男だった。加賀百万石と謳われた藩も、この頃の財政は天保の大飢饉などもあり芳しくない。当時の武家社会の構造的な問題もあり、直之は家財道具を処分し、借金を返済し、倹約生活を実行することに・・・。 これからの武士は刀でなく、経理に明るくそろばんにも長けていなければならない、との信念で、幕末から明治にかけて生きていく物語です。
この「そろばん」が主役の映画のために、全国珠算教育連盟の谷賢治先生をはじめ、多数のそろばんの先生方が、演技指導やエキストラ出演をなさっています。
谷賢治先生からは、<演技指導奮闘記>ともいえるご指導中のご苦労話や、俳優さんの真剣さ、また大事な場面の撮影が無事に終了した達成感などのご報告を頂きました。
以下に、谷賢治先生のご報告を抜粋掲載させて頂きます・・・
《江戸時代後半のそろばんということで、五珠が2個、一珠が5個のそろばんを使い、しかも一番下の一珠も使って計算するという場面ですから、いい勉強になりました。
「塵劫記」にある「俵杉算」を、当時の掛け算・割算のやり方でやってくださいと突然要求されたことも。
俳優さんたちの必死でそろばんを練習する態度には、まさにプロ意識が感じられました。加賀百万石の経理係りですから、そろばんのベテランの指捌きが必要です。裃を着て、大福帳・入り払い帳・検地帳を見てそろばんで計算し、答えを筆で書くのです。・・・中略・・・子供と違って大人の方が初めてそろばんで計算するとき、頭の中でどのように考えるかという思考の傾向も勉強になりました。 (例えば、6+7の場面で、答えが頭の中に先に出てしまうので、そろばんの指の動きが迷う等、筆算をさきにしてしまう)
今後は京都や金沢で撮影が続きますが、圧巻は40人~50人の勘定方の役人が「算用場」という広間で、そろばんで計算をする場面です。これにはそろばんの出来るエキストラが動員されます。
武士が剣術から算術に切り替えて、行き抜く姿は現代にも相通じるものがあります。》
・・・このように、谷先生も俳優さんと一緒に、お忙しい時間をやりくりしながら撮影のお手伝いをなさっていらっしゃるようでした。 来年秋公開予定の<武士の家計簿>、観に行くのを今から楽しみにしています!!